2025.10.10
kintoneを導入したきっかけ
スプレッドシートの限界から脱却し、業務効率と対応品質を両立するために
私たちは、ネットショッピングで販売されている家電製品の修理保険に関する受付業務を行っています。
加入者からの製品の修理依頼に対し、受付から一次査定、修理会社との連携、修理完了後の報告までを担っています。
修理案件の管理には、弊社と修理会社が共有するスプレッドシートを活用しており、1案件を1行で管理していました。
しかし、双方で同じシートを扱うことで、別の案件を誤って編集してしまうなど、ヒューマンエラーが発生していました。
さらに、案件が蓄積されるにつれてシートの動作も重くなり、業務に支障が出るようになっていました。
日々の業務では、案件受付から修理依頼、完了後の記録、報告業務まで多くの工程が発生していました。
特に実績報告においては、スプレッドシートをExcelにダウンロードし、ピボットテーブルで加工したうえで、月次レポートを作成してクライアントである保険会社に提出していました。
業務の開始時点では2,000件程度だった案件数も、加入者の増加とともに5,500件を超え、処理量が大幅に増加しました。
これに伴い、業務が煩雑になり、ヒューマンエラーや手戻りが発生するという悪循環が生じていました。
こうした状況を打開すべく、業務効率の改善と対応品質の向上を目的に、システム開発を検討。他のローコードツールも比較検討しましたが、エンジニア向けで操作が難しい印象に加え、コスト面もネックとなり導入には至りませんでした。
最終的にkintoneを選んだ理由の一つは、提携する修理会社がすでにkintoneを導入していたこと。
そしてもう一つは、福岡にkintone専門の開発会社があったことです。
本社は東京にありますが、私たちの運用拠点が福岡であることから、地理的な近さを活かして密にコミュニケーションを取りながら開発ができると考え、導入を決めました。
株式会社東通メディア東京本社
株式会社東通メディア福岡オフィス
現在のkintoneアプリの活用方法・導入後の効果
締め作業がなくなった日常に、現場からも喜びの声が上がった
kintone導入によって、まず実感できたのは「入力ミスの削減」でした。
以前のスプレッドシートでは、案件数の増加に伴って誤入力や操作ミスが発生しやすい環境になっていましたが、kintoneでは項目ごとに入力形式を設定できるため、入力ミスが格段に減少しました。
また、データ件数が増えても動作が重くなるようなことはなく、快適な操作性を維持しています。
とはいえ、導入当初は、スプレッドシートに慣れていた現場は違和感を感じていたようです。
そんな中、サクシーさんからの提案で導入した「項目に色をつけるプラグイン」や「検索機能を強化するプラグイン」等が現場の使い勝手を大きく改善しました。いまでは違和感なく日常業務に活用できるようになりました。
-進捗管理アプリ:ステータス状況によって項目の文字や背景に色付け-
特に大きな効果を感じたのは、日々の集計作業です。
以前は、案件のステータスや進捗状況を確認するために、手作業でデータを整理・確認し、共有するまでに毎日20~30分かかっていました。
ところが、kintone導入後はグラフ機能を活用することで、現在の状況が一目で分かるようになり、日々の締め作業も不要になりました。
これには現場からも喜びの声があがりました。
-グラフ機能によりクリックするだけで状況が把握できるように-
さらに、修理会社との連携も「じぶんページ」を活用することでよりスムーズになり、修理会社側の負担を減らすこともできました。
SACCSYの関わり方
提案力と柔軟な対応が支えた導入プロジェクト
導入を進める中で特に心強かったのは、こちらの課題や要望に対する柔軟な提案とスピード感のある対応でした。
困っていることに対して、常に複数の選択肢を提示していただき、私たちの業務に最適な方法を一緒に検討できた点が非常に助かりました。
また、月に一度の定例ミーティングでは、ちょっとしたカスタマイズやプラグインの相談にも、その場で対応いただけることが多く、想像以上のスピード感に驚いたことを覚えています。
導入初期には、こちら側の体制がまだ整っておらず、進捗状況を十分に共有できていない時期もありましたが、そうした中でも丁寧に対応を続けていただき、現在は正常に稼働しています。伴走支援の手厚さには心から感謝しています。
今後の展望
部署を超えたkintone活用と、自走できる仕組みづくり
家電の修理保険業務にとどまらず、延長保証の受付や住宅設備機器修理の窓口といった他部署の業務にも活用できればと考えています。進捗管理をkintone上で行うことで、将来的には部署ごとの業務データを一元的に管理できる体制を目指しています。
実際に、社内の他部署からも「自分たちもkintoneを使ってみたい」といった声が上がっており、kintoneが徐々に浸透してきていることを実感しています。
また、現在は業務毎に管理者が仕組みを作って運用していますが、管理者が不在のときや退職した際に、誰もメンテナンスができなくなる可能性があります。
kintoneであれば、みんなが仕組みに触れられるようになるため、属人化を防ぐことが可能です。
今後は、各部署を横断してkintoneを活用できる環境を整えながら、業務の効率化と持続可能な運用体制の構築を目指します。