2025.12.1
kintoneを導入したきっかけ
ゼロから学び、仕組みを育てる、自走型運用への挑戦
弊社は、九州の生活圏駅を中心に展開する駅ビルをはじめ、ロードサイド型商業施設、マンション管理事業、ゴルフ練習場など九州全域をビジネスフィールドとしながら幅広い開発案件の運営管理を行っています。
駅ビル-えきマチ1丁目 姪浜-
その中でも商業施設運営の事業については、施設の活性化を図る為、テナント様の売上管理及び分析は非常に重要な業務です。
今回、既存で使用していたシステムが提供終了となり、新たな売上管理のシステム、仕組みの検討を行う必要がありました。
検討を行う中で、売上管理機能がパッケージ商品として提供されるものも多くありましたが、kintoneは「今後、売上管理以外に改善したいプラスαが出てきた時に、柔軟に対応できそう」「自分たちでも学びながら開発できそう」と、将来性に期待が持てました。
当初はkintoneについて何も分からない状態でしたが、導入コストが抑えられることもあり、「チャレンジしてみよう」と決断しました。
伴走支援を行っている数社の話を聞いた中で、サクシーさんの「一緒に作り上げていく」というスタンスが、自社の理想に最も近く、フォロー体制や価格面でも魅力的だったことから、導入支援を依頼するに至りました。
現在のアプリの活用方法・導入後の効果
Accessからの脱却——kintoneで叶えた業務改善+α
導入当初の目的であったテナント様の売上管理は、今ではkintoneだけで完結しています。
売上データはゲストスペースを活用してテナント様ご自身に入力いただき、弊社側では日々そのデータを蓄積・分析。帳票の出力や予実管理もkintone上で行えるようになりました。
ただ、売上管理はどうしてもイレギュラーが発生しやすく、運用方法については現在も相談を重ねながら調整を続けています。
また、入力された売上データはkrewDataで変換したデータを基幹システムへ取り込み、賃料等の請求の業務にも活用しています。
-krewDataと連携して基幹システムへ取り込むデータ作成を行うスレッド-
-データ作成後に出力されるアプリ-
そして、当初「できたら嬉しいプラスα」として思い描いていた、電子マネー利用実績の管理についても、kintoneへの移行を実現しました。
従来は、担当者がAccessで構築したシステムを使って、電子マネーの利用実績をテナント様毎に集計・送付していました。
しかし、担当者の退職に伴い、システムの更新ができず、集計元のデータ様式の更新に対応できないため、従来のデータ様式の送付待ちに4日ほどかかるという非効率な状況が続いていました。
kintoneの伴走支援が始まった初期段階で「これを何とかしたい」と相談したところ、すぐにシステム化を実現してもらい、非常に驚きました。
-電子マネーに関するスペース-
-k-Reportとの連携で電子マネー振込案内も作成-
導入から3〜4ヶ月経った現在も、ほとんどフォローなしで安定運用できています。
以前は最大5日かかっていた業務が、今ではわずか2〜3時間で完了。
これはまさに、「kintoneでできたらいいよね」と思っていた“プラスα”の部分であり、実現できたことに大きな喜びを感じています。
まだ触り慣れていない部分もありますが、今後もブラッシュアップを重ねながら、より良い仕組みを自分たちの手でつくっていきたいと考えています。
SACCSYの関わり方
“手厚い”の一言。各方面からの依頼に柔軟に対応してもらえる安心感
kintoneの導入初期、特に最初の1〜2ヶ月は、業務の整理が追いついておらず、社内でも「誰が何を伝えたか」「どの資料を渡しているか」といった情報共有すら困難な状況でした。
年度の切り替わりの時期と重なったこともあり、業務が錯綜し、「あれもお願いしたい」「これもなんとかならないか」と、思いつくままにサポートへ連絡する日々が続きました。
正直、こちらからのチャットの量が多すぎて、申し訳ない気持ちになるほどでした。
それでも、サクシーの担当の方々は常に丁寧に対応してくださり、汲み取って形にしてくださいました。
基本的にはチャットベースで迅速にフォローいただいていましたが、内容が複雑だったり、重要度の高いものについては、予定外でもすぐにウェブ会議を設定し、しっかりと時間を取って向き合ってくれる姿勢に大きな信頼を感じました。
まさに、「手厚い伴走支援」でした。
パッケージ開発に大きな費用をかけるよりも、伴走支援に投資するという選択は間違っていなかったと思っています。
今後の展望
「どこに何があるか分からない」を終わらせたい——情報を一元化する挑戦
現在も継続してkintone上での改善を進めています。
これまで紙やExcelで対応していた仕組みを変えるためのアプリも作成中です。
あちこちに点在していた資料を整理し、一元的に扱える環境を構築することが当面の目標です。
また、テナント売上に加えて、事業の収支・予実管理についても、さらなる改善を検討しています。
現在、各支店や物件の損益をExcelで管理しており、次年度の計画や予算進捗のトレースもExcelに依存しています。
しかし、それらをkintoneに移行できれば、リアルタイムでの情報共有や、手入力によるミスの削減につながると考えています。
実際には、さまざまな部署・担当にまたがって多くのデータが存在し、それを手作業で集約するのに多くの時間を費やしているのが現状です。
事業計画の時期が近づく中で、私たちは今、データ集約のプロセス自体を見直し、“会社の未来”について議論する時間を大切にしたいと考えています。
kintoneを単なるアプリのプラットフォームではなく、事業全体の“情報基盤”として活用し、データの見える化を実現したい。今後それを形にしていかなければならない。そう強く感じています。
-福岡県福岡市六本松にある商業施設:六本松421-


